2025/07/18 20:00
数多く見られるショップのオリジナルカラー。
極めて商業的に作られるカラーや極地的ではあるけれども爆発的な効果が得られると言う裾野を絞った尖ったカラー、良い意味でプロパーカラーでは今一歩踏み込めない少し向こう側に踏み込んだ攻めたカラーなど、それはそのショップのフィロソフィーが色濃く反映されたものでもあります。
面白いことにソコに対して思考の厚みや奥行きがあるのか無いのかが不思議と透けて見えたりするものでもあったりします。
今の時代特に。
仙台のプロショップ「THE STRIKE skate and tackle shop」の店主の末谷さんが今回もお店を体現している良カラーを販売されたのでそのご紹介を。
そして、その一見面食らってしまうカラー名の裏側にはシッカリとした釣行の裏打ちがあり、そのギャップが実に面白かったので皆さまに知っていただければと。
完成するまでの道中も作る側がどの様な事を考えて、反応を見てどうだったかなど追体験してみてください。
あっ、正直オファーいただいた第一声を聞いた際には頭の中「???」で、「あぁ、はいはい。キャッチーな面白系のカラーで今回は行くのですね??」と思いかけました(笑)
危ない危ない。
LOPHOG3” CHOCO MINT STORY
2024年秋の将監川での釣りで見つけた緑腹のエビ。
帰りの新幹線の中でそのエビの事をずっと考えながら仙台へ戻りました。
色そのものも興味の対象でしたが、それ以上に近年の「日本のビッグバスパターンの極端化」に対しての興味でした。
ビッグスイムベイトシーンが盛り上がる一方、極フィネスパターンもビッグバスのパターンとして各地で成立している。
その極フィネスのアクションの多くは、エビを模した動きだったり、カワエビのサイズ近いルアーサイズが多いと感じていました。
個人的にはフルサイズやノーマルサイズのルアーを東北フィールドで使うことがほとんどで、フィネス系の釣りに関しては正直メインで使ってきませんでしたがビッグベイトと同じく、今の時代にとって必要な釣りになってくると考えています。
新幹線の中でその年に当店のKAESUイベントで展示していたプロトタイプのLOP HOG3”を思い出し、「あのルアーに将監川でみたエビのカラーを作ったら面白いんじゃないか?」と仙台駅に着いてからKAESUの奥川さんに電話をしました。
「淡いグリーンベリーのロップホッグ3”作れませんか?イメージでいうと…あ、チョコミントアイスの青と緑くらいのカラーなんですけど」
多分、「何言ってんだコイツ」と思ったでしょうね(笑)
ボトムで使う前提なのでバックはオリジナルカラー HITAKAMIのチョコレートバッグ、エビ感やウィードや藻の中で使うことを想定したグリーンフレークに、遊び心でチョコチップ風なブラウンのラメをベリーに散らして作った1stサンプル。
↑1stサンプルカラー
これ持ってフィールドへ行ったんですが…
初期試作サンプルは背中はチョコレートブラウンベースにグリーンフレーク、ベリーにチョコミントベースにブラウンフレークを入れました。
もちろん川海老に寄せるだけなら、例えばモエビ系の透き通るようなパンプキン系カラーを背中に入れるのですが、晴れた日やクリアアップしたタイミング以外でも使いやすくしたいということでHITAKAMIにも使ったチョコレートブラウンを採用しました。
チョコミントってイメージも脳内に初期からあって、ベリーにミントなら背中はチョコ…的な部分と実績的な観点から調色してもらいました。
実際に出来上がったサンプルをフィールドで水中で入れてみると「想像以上にラメが光って」しまいました。
なんだろう、違和感のある光り方…という表現になりますが、背中も腹も海老っぽく無いしギラギラしてる。
何より、冬の管理釣り場でバスを見ながら使ってみると光り過ぎて違和感を持つバスが多かった。
この光り方をKAESU開発チームに相談して、ラメサイズとカラーを微調整したバージョンを複数作成。
その中で背中は薄めのブルーシルバー系フレークに変更して、チョコブラウンバックとの混ざった際の光り方を調整、お腹側は光らせずに色だけで斑点感を出すためにブラックラメに変更となっていきます。
※手前が修正カラー、奥が1stサンプルカラー
※左が修正カラー、右が1stサンプルカラー
再び、管理釣り場で実際にバスにサイトでアプローチすると口を使いやすくなり、またスレにくい印象が持てました。
ラメやフレークの微妙な違いでサカナの反応ってこんなに変わるのかと改めて感じたトライ&エラーでした。
※以上、ストライクさんのInstagramから転記しております。
はい、いかがでしたでしょうか。
上記かなりギュギュッと凝縮してお伝えしているので、最終バージョンに辿り着くまで店主のコダワリのラリーがありました(笑)
たかだか、ラメのサイズ、ちょっとした色の違いでそんなに変わるのか?と思う訳ですが、それはこちとら人間の話。
魚とは見え方ももちろん異なる訳でして、結局答えは魚のみぞ知る。
結果的に、サイトでの反応も1stサンプルからは大幅に向上しスレにくい印象が持てたと言うのは事実であり、試行錯誤の集大成。
リアルな将監川のエビが起点となり、キャッチーなカラー名に落とし込まれた「#105 Choco Mint(チョコミント)」を無事納品する事ができました。
あっ、そのラメとこのラメの色変えてなにか違いあります??とかは決して口にせず納得のカラーのお手伝いができて良かったと中の人は嬉しく思っております。
気になった方はストライク渾身のカラーをお試しいただれればと思います。
↓下記リンクのストライクさんのショップよりLOPHOG 3inchオリジナルカラーはご購入可能です。↓