2025/07/08 20:00
ルアーには時として製作側が意図していなかった予想外の使い方が生まれる場合が多々あります。
タイニーマサムネ120の【ボトムステイメソッド】もその一つ。
本来のI字系ルアーはスーッと泳ぐ無警戒な小魚のように、表層をボディを動かさずI字引きして使うもの。
タイニーマサムネのサイズアップ版として生まれたタイニーマサムネ120もその様な用途で作られました。
しかし、何をどうすればそういう考えに至ったのか、ボトムにタイニーマサムネ120をそっと置いておきバスにバイトさせる使い方を編み出したアングラーがいます。
ボトムに置いておくのならワームでもいいんじゃ…と思ったらそうでもなく、ワームでは食わない魚をもバイトさせるのがこのメソッドで、ワーム以上の釣果を叩き出すこともあります。
ハードルアーが故に浮力が高く、ボトムにフワッと姿勢良く立ち、ワームよりも強い存在感とわずかな水流を受けてゆらゆらとボトムで揺れ動くところが魚を惹きつける要素なのかもしれません。
実際にその釣りを見せてもらったところ、足元からスーッと逃げていく魚の進行方向へタイニーマサムネ120を先回りしてキャストし、ボトムにステイさせると魚はスルスルと寄ってきてルアーをくわえ反転。
なんでコレで釣れるの?と狐につままれたような不思議な感覚を覚えました。
【ボトムステイメソッド】はこんな釣り
タイニーマサムネ120のボトムステイメソッドは、適当に投げて魚が食うまで長い時間ボトムに沈めて置いておくと言う類のボトム放置の釣りとは異なります。
基本的にはサイトフィッシングで、目視できる魚の進行方向へルアーをキャストし、先にボトムへ置いておくかフォールでルアーに気づいてもらい寄ってきたところをボトムでバイトさせる釣りです。
魚がじっとルアーを見ている時は止めて置いてバイトを待ちます。
魚がルアーを見ている手前、ついついシェイクしたりズル引いたりしたくなるものですが、ぐっと我慢してルアーへの興味を失い反転しそうになったらモゾッと動かして魚の興味を惹きつけましょう。
魚が気づいていなければピョンと跳ねさせることもありますが、魚がルアーに気づいてからはテールをピクッと動かす程度の弱いアクションでルアーを動かしすぎないことがポイントです。
一度見切られたとしても何度もキャストして、魚がよほど嫌がるそぶりを見せない限り、ルアーに興味を示すようであれば釣れる可能性あり。
この釣りで大事なのは魚へのアプローチの方法。
魚にラインを見せないように魚がアングラー側へ泳いだ瞬間にキャストして、魚→ルアー→ライン→アングラーという位置関係をできるだけ保ったり。
魚が立ち止まる、例えば大きな岩や張り出し、ベイトを追い込みやすい地形など魚がここならバイトするであろうスポットに入るまではキャストしない…であったりとか。
フォールで魚に気づいてもらいそのまま真下にフォールさせるのではなく、魚が寄ってくるのに合わせてゆるりとリールを巻きやや逃しつつのカーブフォールで沈めていき、ボトムに到達する頃に魚がルアーに追いつき泳ぐそのままの勢いを使ってバイトさせるとか。
食わなければ小さくすればとか、フィネスなライトリグで…とか、そういったものとはまた別の、魚との心理戦みたいなものが大半を占めるいかにもバスフィッシングらしい釣りなのです。
それぞれアングラーのアプローチによって魚の反応は180度変わり、なかなか食わせられず諦めた魚を同じタイニーマサムネ120でサクッと釣られるなんてことも何度かありました。
サイトフィッシングなので魚の状態もよく分かります。
見えている全ての魚が魔法のように反応する釣りではありません。
じっとして動かない魚よりも餌を探すそぶりをしていたり泳ぎ回っている魚だけを選んで釣っていき、この魚は食いそうだと感じたら何度も色々な角度から魚の反応するアプローチを探していくのがボトムステイメソッドです。
タイニーマサムネ120スナッグレスチューン
タイニーマサムネ120のボトムステイはインサートプレートウェイトを挿入しスローシンキングにして使用します。
ボトムに落とせば当然トレブルフックが底を引きずります。
底が砂地や泥であれば引っ掛かることはありませんが、岩がゴロゴロ転がっている場所はどうしても根掛かりするリスクあり。
サイトフィッシングなのでボトムに落とす場所を選べば根掛かりは多少回避できますが、こればっかりはハードルアーの弱点。
これを補うために、まずフロントのトレブルフックをフェザーなしのものに交換します。
フックサイズは#5または#6。
1本だけ前を向いたフックポイントをフックの軸にあたるまで曲げて丸め、ダブルフックの仕様にして、曲げたところに2gくらいのガン玉を噛ませます。
ガン玉のウェイトによってフォール速度を調整できます。
インサートプレートウェイトは使わないので抜いてしまいましょう。
ガン玉を噛ませたダブルフックがウェイトとなり、ボディはしっかりと浮き上がってフックでボトムに立つ姿勢に変化するため根掛かりするリスクが大幅に減ります。
根掛かるような底の荒いところでないならチューンせずそのまま使ってもらって問題はありません。
タックルは10〜12lbクラスのフロロカーボンを巻いたベイトタックル。
バスのバイトはフワッとついばむようなショートバイトが多いため、バイトした瞬間をしっかり見て即掛してください。